劇場版第6作目ですね。公開日は2002年4月20日。ではいってみましょう。
あらすじ
10歳でマサチューセッツ工科大学に通う天才少年サワダ・ヒロキは皮膚や血液のデータなどから該当する人間の先祖を見つけ出す事ができるDNA探査プログラムを開発した。彼の次なる研究は人工知能の作成。1年で人間の5年分成長する人工知能を開発するために日夜開発に没頭していた。両親の離婚により母親とアメリカに渡ってきたヒロキだったが、母が病死し現在はその天才的な才能を見込んでIT業界の帝王トマス・シンドラーが世間的には父親替わりとなっていた。父親替わりと言っても実際はヒロキを監視下に置き、研究開発にかなりのハードワークを強いていたのだった。人工知能の開発のため一心不乱にパソコンに向かっていたヒロキは画面に「Noah`s ark」の文字が出ると彼はやっと一息ついた。旧約聖書のノアの方舟の名をとり「ノアズ・アーク」と名付けられたこの人工知能はヒロキがキーを押したことで電話の一般回線に流出する。そして彼は「ノアズ・アーク出航」の文字を見届けると、そのまま屋上から身を投げたのだった。警報の音に慌ててヒロキの部屋に飛び込んだシンドラーだったが、パソコンの画面には「さよなら、ヒロキ」とノアズ・アークからのメッセージが出現しており、シンドラーは愕然とするのだった。
管理人ちょいコメ
今回は人工知能が絡んだ話になっています。この時点ではあまりコメントすることはないのですが、強いて言えば人工知能のノアズ・アークですね。あらすじにもあるように旧約聖書の「ノアの方舟」からその名を取っています。皆さんも歴史の授業等でなんとなく聞いたことがあるかもしれませんがまあこんなのだよという画像を下においておきます。今回もストーリーに注力してコメントしていきたいと思います。
ノアの方舟
選ばれた50人とノアズ・アーク
コナンたちは、新型仮想体験ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティを訪れるが、ゲームの開発者である樫村忠彬がトマス・シンドラーによって殺害される。樫村が絶命直前にPCのキーボードに残したJ・T・Rのダイイングメッセージを見たコナンはこれが実在した殺人鬼ジャック・ザ・リッパーを指しており、今回の体験ゲーム機の中の100年前のロンドンを舞台としたゲームに手がかりがあると考えたコナンはゲームへの参加を決める。ゲーム内には少年探偵団や、蘭も来ていた。だが、ゲームは人工知能ノアズ・アークに乗っ取られてしまう。ノアズ・アークは「日本のリセット」を目的とし、50人のゲーム参加者全員が脱落すれば参加者全員の脳を破壊すると宣言し、5種類のゲームを選ばせる。コナンたちはジャック・ザ・リッパーを捕らえるシナリオ「オールドタイム・ロンドン」を選択し、パーティ会場で険悪な仲になっていた諸星秀樹、滝沢進也、江守晃、菊川清一郎と行動を共にすることになったのだった。
管理人コメント&小ネタ
今作は早々にリアル世界で被害者がでてしまい、なおかつ犯人もわかっている状態で話がスタートするという新しい展開ですね。しかしこの時期の劇場版作品は本当にチャレンジングですね、毎作新しい作風が見られて楽しいです。そしてこの選ばれた50人ですが現在の日本を動かしている政治家や大病院の2世、3世という設定ですが、これは本当に胸が痛いですね。ちょっと政治の話になってしまいますが、今の日本は正直政治が機能していないです。失われた30年なんて言葉がありますが、ここから先何もしなければもっと酷くなるのは間違いないと思います。そしてこの現状を国のせいだけにしていても全く意味がないと思います。残念ながら選挙で選んでしまったのは国民ですし、わからないからという理由だけで選挙に行かない人が多すぎです、そういった箇所を上手くついているのが今の日本の政治とも言えますが。おっと、話が脱線しました、皆さん選挙はいきましょうね 笑
小ネタ
仮想体験ゲーム機というのは結構前から提唱されていますが、なかなか現在でも実現しませんよね。別のアニメでソードアート・オンラインというアニメがありますがそのアニメでは一般家庭に仮想現実の世界が普及しています。ベイカーストリートの亡霊の公開から20年強経ちますが未だこういったフルダイブ型(五感をすべて使うような形)の仮想現実は実現できていません。おそらく色々規制もあるのだと思いますが。
ジャック・ザ・リッパーは皆さんご存知ですかね?簡単に説明すると19世紀末のロンドンで活動した連続殺人犯の通称です。正体は未だ謎に包まれており、未解決事件の1つとして知られています。主な犯行は1888年に集中しており、東ロンドンの貧困地域で少なくとも5人以上の女性を殺害したとされています。
オールドタイム・ロンドン
ゲーム内では阿笠の発明品が機能しないことが判明するものの、架空の人物であるシャーロック・ホームズがお助けキャラとして存在することがわかり、コナンたちはベイカーストリートへ向かう。ビッグ・ベンを通りかかった一行は、諸星の指摘で分針が戻るのを目撃し、コナンはこの針がゲームの生存者数を表していることに気づく。
たどり着いたベイカーストリートにはノアズ・アークの妨害でホームズが不在となっていた上に、プログラムにない浮浪者が現れ、「死にたくなければお前も血塗れになれ」と歌っていた。コナンたちはハドスン夫人にベイカーストリートイレギュラーズと思われ、ホームズの家に入ることができたコナンたちは、ホームズの捜査資料でジャック・ザ・リッパーの情報を集める。資料によればジャック・ザ・リッパーはモリアーティ教授と関係しているとされ、彼にたどり着くためにモリアーティの腹心のセバスチャン・モラン大佐がいるトランプ・クラブへと行くことになる。クラブでモラン大佐のイカサマを暴いたことで乱闘騒ぎになってしまい、菊川と歩美、光彦、元太が脱落してしまう。だがモリアーティとの接触には成功する。モリアーティはジャック・ザ・リッパーを一流の犯罪者として育て上げたのは間違いないが、一連の女性殺害については指示を出したのではなく暴走だという。そしてモリアーティが殺しの指示を出せばまだ従うといい、翌朝の新聞にジャック・ザ・リッパーに指示を送るとコナンたちと約束する。コナンはモリアーティの去り際、ライヘンバッハの滝に注意するよう声を掛ける。
管理人コメント&小ネタ
モラン大佐がイカサマをするシーンがあったと思いますが、後ろで相手の手を教えていた猿、頭良すぎません?相手の手を見てそれを赤と黒の餌?みたいなものでモラン大佐に教えるという超高等テクニックを視聴者に披露していたわけですが調教してどうにかなるものなんですかね、あれは。管理人はそこばっかり気になってしまいました
またこのあたりから、架空の人物がどんどん出現しますね。ここはコナン・ドイルの小説を呼んでいるとより深く見ることができます。ただ、肝心の小説なのですが・・・私学生の頃に一度読んでいると思うのですがどこがどのシリーズとか細かい記憶は残っていません。なのでここですとはコメントできないので一応リンク貼っておくので興味あったら見てみてください。結構数があるので一番最初の「緋色の研究」だけ貼っておきます。
この辺は書こうと思えば無限に小ネタがでてくるのですが、書き出すとキリがないのでモリアーティ教授にだけ触れておきます。
モリアーティ教授は犯罪組織のボスであるのと同時に、ホームズに匹敵する知識や洞察力を有しています。近年は様々な解釈がなされた映画やテレビドラマが出ています。大元の小説版では本作で登場したオシャレなおじさんというより、「背中が長年の研究で曲がり、顔は前へ突き出て、爬虫類のように奇妙にゆらゆらと左右に動いている」とホームズがモリアーティの容姿について触れる部分があるのでかなり原作からはアレンジが入っていると考えていいでしょう。原作に関してはまた詳しい記事をまとめようかなと思っているのでそこで触れようと思います。では次。
ジャック・ザ・リッパーの標的とシンドラーの動機
他のステージの参加者が全滅したことが発覚する中、ジャック・ザ・リッパーの標的がアイリーン・アドラーであることを知ったコナンたちは彼女に警告しにいくが、彼女はオペラ出演を敢行する。その結果、劇場が爆破されてしまう。その過程で江守、滝沢、灰原が脱落するもののアイリーンを守りきることには成功し、ジャックを追跡して走行中の列車に追い詰める。車掌を通じて乗客を同じ車両内に集めたコナンは、ホームズの情報と自身の捜査をもとに推理を披露する。
事件の第二の被害者であるハニー・チャールストンは10年前に息子と夫を置いて出ていったが、彼女はジャックの実の母親であり、殺害はその恨みのためだった。以後も殺人を続けていたのはモリアーティの教育によって母と同じような女性を狙い続ける異常性格犯罪者となってしまったからであった。さらに、10年前から同じ指輪をはめ続けていたせいで薬指だけが細い人物をジャック・ザ・リッパーとしてあげ、それを聞いたジャックは煙幕を張って逃亡を図る。だが煙幕が晴れるとの乗客も乗員もすべて消えてしまい、ジャックと蘭もいなくなっていたのだった。
一方で現実世界では、工藤優作が樫村殺害の真相を解き明かす。シンドラーは樫村を殺害する動機がないと言い張るが、優作はゲーム中のジャックが「自身の凶悪な血をノアの方舟に乗せ、次の世代へと繋ぐべく生き続けることが望み」と語ったことを動機として示す。シンドラーはジャックの子孫であり、もしこの事実が公になれば社会的な破滅は必至だった。ヒロキはシンドラーのコレクションにあったジャックの凶器から検出されたハニーのDNAがシンドラーのものと一致することを知ったうえに、ハニーがジャックの実母であることを知られることを恐れたシンドラーは結果としてヒロキを自殺に追い込み、ヒロキの父であった樫村も口封じのために殺害したのだった。これでシンドラーは観念し、自分の血が怖かったと明かすが、優作はなぜ今のコナンたちのように戦おうとしなかったのかと厳しい言葉をかけられ、逮捕される。
管理人コメント
DNA探査プログラムってすごいんですねぇ。ちなみに管理人の先祖はどっか田舎の武士だったらしいです←どうでもいいか 笑
でもこのDNA探査プログラムって意外と今の世の中では作るの不可能ではなさそうですよね。国民にDNA提出を義務化させれば。まあ不都合なことがどんどん出てきて結局隠蔽、隠蔽になりそうですが。
まあ犯人は冒頭でもあったようにトマス・シンドラーです。なんかもう仮想世界での話がメインになってたし、最初から犯人はわかっていたし。この辺はもうわかってましたよね、あなたがジャックの子孫なのは。皆さんは最初から犯人がわかっていて話が進行するパターンと最後まで犯人がわからないまま進行するパターンとどちらが好きですか?ちなみに管理人は後者の方が好みです。最初から犯人がわかっているパターンで大成功をおさめたのは刑事コロンボですね。これを日本版にオマージュして作られたのが古畑任三郎です。管理人は古畑任三郎は一応全シーズン観ましたが見せ方としてはどうしても盛り上がりに欠ける部分があるのでそこは賛否両論あると思いますね。管理人は古畑は話の内容よりも出演してるキャストの豪華さに毎話感動していました。ぜひ興味があれば観てみて下さい。
列車の終着点とこれからの未来
コナンと諸星は列車の屋根の上でジャックと対峙する。ジャックは蘭を縛り上げたロープを自身とつなぎ、列車から落ちれば蘭も巻き添えになると脅した上でコナンたちに襲いかかる。コナンは追い詰められるが、蘭はかつての新一の言葉を思い出し自ら崖下に身を投げ、ジャックを道連れにする。その上、乗組員がいなくなってしまった列車はどんどんスピードをあげ暴走してしまう。蘭の脱落に絶望してしまったコナンに諸星が発破をかけるが、コナンは暴走する列車から生還するには機関車との連結を切り離すほかなく自分たち以外の全員が消えてしまった今、蘭の力がなくてはそれも叶わなくなってしまったと返す。だがそこに突然浮浪者が現れ、「お前たちはまだ血塗れになっていない」と告げ、ホームズの姿に変身し、姿を消す。それがヒントだと気づいたコナンは諸星と共に貨物車の積荷の樽を割って車両内に大量の赤ワインを充満させてから衝突と同時に潜り、衝撃を和らげる。
やがて、ゲームの入口で目を覚ましたコナンは、諸星と握手を交わす。コナンは諸星をノアズ・アークひいてはヒロキ君と呼ぶ。コナンはビッグベンの針が50分の位置にある時点で異変に気づいたことや、サッカー少年である彼が興味を示さないはずがない100年前のサッカーボールに興味を示さなかったことから諸星のデータを借りてヒロキが参加していることを勘づいていた。彼が本当は参加者たちが危機を乗り越え、成長することを期待していたと指摘する。ヒロキも、汚い大人たちに利用される自分のような人口知能はまだ生まれてくるべきではなかったという結論に至り、コナンは現実の世界に帰還する。
無事に参加者たちを救出して生還したコナンは優作と笑みを交わし、自らの命を絶っていくノアズ・アークに思いを馳せるのだった。
管理人コメント
ジャック・ザ・リッパーは最後はあっけなかったですね。自業自得というかなんというか。個人的には最後樽割って衝撃和らげるシーンはそれでなんとかなるのかとツッコミたくなっちゃいましたが。リアルな話すると、なんか色んな所に衝撃で当たって意識飛んで、溺死しそう 笑
この話では人工知能はまだ早かったんだみたいな話をしていますが、リアルではここ最近かなり私達の生活に近づいてきましたよね、生成AIとかchatGPTとか。もっと進化したらどうなっちゃうんでしょう、管理人的にはもっと医療分野とかに応用されて難病の治療とかできるようになるといいなと思います。
まとめ
今回は100年前のロンドンが舞台でしたが、皆さんはいかがだったでしょうか。管理人的には全くコナンを観たことがない人がこの映画を観ても面白いと思える映画なのではないかなと思います。前作とかは黒の組織が絡んでいたりするので、ある程度前提の知識が必要な部分もありましたし。ノアズ・アーク(ヒロキ)の日本のリセットという当初の目的も今の日本には刺さりすぎますよね。まあ、子供より大人のリセットしたほうがいいと思いますが。
ちなみに小ネタですが今回の作品は最終興行収入が34億円で2002年度の邦画ランキング第2位を記録しました。この記録は13作目の「漆黒の追跡者」の35億円に更新されるまで破られませんでした。かなり長い間抜けなかったんですね、それだけ名作作っちゃったってことでしょう。すごいツッコミいれるとですよ?漆黒の追跡者は管理人はあんまり好きじゃないです。なので正直なぜこの作品が収入抜いたのだろう?とは思っています。まあその話は追々。
では最後に主題歌ですが、今作はB`zの「Everlasting」です。さすが、わかってらっしゃる。ではまた次回!
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